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9. 眼

9-1 外眼部及び眼球附属器

  1. 身体検査基準
    航空業務に支障を来すおそれのある外眼部及び眼球付属器の疾患又は機能不全がないこと。
  2. 不適合状態
    2−1
    航空業務に支障を来すおそれのある眼瞼、結膜、涙器、眼窩及び角膜疾患又は機能不全
    2−2
    腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるもの
    2−3
    屈折矯正手術の既往歴のあるもの
    2−4
    オルソケラトロジーによる矯正
  3. 検査方法及び検査上の注意
    3−1
    検査に当たっては、自覚症状、既往歴等について十分に問診すること。
    3−2
    初回の航空身体検査は、細隙灯顕微鏡を用いて検討を行うこと。初回以降は、必要に応じて細隙灯顕微鏡を実施すること。
  4. 評価上の注意
    4−1
    円錐角膜について、眼鏡で十分な視機能が得られる場合は、適合とする。
    4−2
    腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるものについては、1.一般1−3腫瘍を参照すること。
    4−3
    屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術から6ヶ月以上が経過した時点において、症状が安定し、視機能が基準を満たしている場合は適合とする。この場合において、手術記録を含む臨床経過のほか、以下の検査結果において、眼科専門医の診断により異常が認められないことを確認すること。
    (1)視力の日内変動(同日3回以上の測定結果)
    (2)コントラスト感度
    (3)グレアテスト
    (4)角膜形状解析
  5. 備考
    5−1
    屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術後6ヶ月以上を経過し症状が安定し、視機能が基準を満たしている者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、手術記録を含む臨床経過のほか、以下の検査結果を付して申請すること。
    (1)視力の日内変動(同日3回以上の測定結果)
    (2)コントラスト感度
    (3)グレアテスト
    (4)角膜形状解析
    5−2
    上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、症状が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。

9-2 緑内障

  1. 身体検査基準 
    緑内障がないこと。
  2. 不適合状態
    2−1
    閉塞隅角緑内障
    2−2
    開放隅角緑内障
    2−3
    正常眼圧緑内障
  3. 検査方法及び検査上の注意
    3−1
    眼圧の測定は、下記のとおり実施すること。ただし、眼圧の上昇を認めるもの、緑内障の疑いのあるもの等は必要に応じて下記以外の検査時にも眼圧測定を実施すること。
    [第1種]
    3−2
    初回の航空身体検査時、40歳に達した後の最初の航空身体検査時、その後は前回の検査から1年に1回の間隔で実施すること。ただし、40歳以上、かつ、有効期間が1年未満の者は前回の検査から1年を経過する直前の航空身体検査時に実施すること。
    [第2種]
    3−3
    自家用操縦士の資格についての技能証明のみを有する者にあっては、初回の航空身体検査時及び40歳に達した後の最初の航空身体検査時に実施し、その後50歳に達するまでの間は、前回の検査から2年に1回の間隔で実施し、50歳に達した後は前回の検査から1年に1回の間隔で実施すること。ただし、40歳以上50歳未満、かつ、有効期間が2年未満の者は前回の検査から2年を経過する直前の航空身体検査時に実施し、50歳以上、かつ、有効期間が1年未満の者は前回の検査から1年を経過する直前の航空身体検査時に実施すること。
    3−4
    自家用操縦士以外の資格についての技能証明を有する者にあっては、初回の航空身体検査時、40歳に達した後の最初の航空身体検査時、その後は前回の検査から1年に1回の間隔で実施すること。ただし、40歳以上、かつ、有効期間が1未満の者は前回の検査から1年を経過する直前の航空身体検査時に実施すること。
    3−5
    眼圧の測定は、アプラネーション・トノメーター(圧平眼圧計)又はノンコンタクト型眼圧計を用いること。
    3−6
    眼圧22mmHg以上については、慎重に検討を行うこと。
  4. 評価上の注意
    4−1
    自覚症状、眼圧、視神経乳頭及び視野所見について、緑内障を疑う場合は、眼科医の診断により確認すること。高眼圧症のみで、緑内障と診断されない場合は、適合とする。
    4−2
    ぶどう膜炎、水晶体疾患又は眼外傷等の既往歴のある場合には、眼圧の上昇が認められることがあるため、注意すること。
    4−3
    閉塞隅角緑内障の発作の危険性が疑われる場合は、十分に検討を行うこと。
  5. 備考
    5−1
    緑内障の治療中の者又は緑内障の治療歴のある者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、治療内容を含む臨床経過(眼圧、視野検査を含む。)等を付して申請すること。
    5−2
    上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、病態等が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。

9-3 中間透光体、眼底及び視路

  1. 身体検査基準
    中間透光体、眼底又は視路に航空業務に支障を来すおそれのある障害がないこと。
  2. 不適合状態
    2−1
    水晶体疾患(白内障を含む。)
    2−2
    ぶどう膜炎(虹彩炎及び毛様体炎を含む。)
    2−3
    網脈絡膜疾患
    2−4
    糖尿病網膜症
    2−5
    視神経疾患
  3. 検査方法及び検査上の注意
    3−1
    検査に当たっては、自覚症状について問診すること。
    3−2
    中間透光体の検査については、初回の航空身体検査は、細隙灯顕微鏡を用いて検討を行うこと。初回以降は、必要に応じて、細隙灯顕微鏡検査を実施すること。
    3−3
    眼底検査は、直像検眼鏡又は倒像検眼鏡等によること。
  4. 評価上の注意
    4−1
    白内障について、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
    4−2
    術後後発白内障に対して、レーザー等による治療を行った場合で、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
    4−3
    ぶどう膜炎の既往歴がある場合は、再発に注意するとともに眼圧に異常のないことを確認すること。治療の必要がなく、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
    4−4
    眼底検査は、網膜所見(出血、白斑等)及び視神経乳頭について慎重に検査すること。
    4−5
    網膜剥離については、治療により所見が安定し、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
     
    4−6
    網脈絡膜疾患については、治療の必要がなく、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
     
    4−7
    糖尿病網膜症については、単純網膜症で視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
     
  5. 備考
    5−1
    白内障術後の者であって眼内レンズ(人工水晶体)又はコンタクトレンズにより視機能が基準を満たし、手術後3ヶ月以上の観察期間を経て経過良好であると認められる者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、臨床経過の所見、手術記録やその他の治療内容を含む臨床経過、両眼視機能検査等の検査結果を付して申請すること。
    5−2
    上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、病態等が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。