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一般公開サイトHOME > 指定医専門ページトップ > 航空局通達等 >航空身体検査の適切な実施について(注意喚起)

航空身体検査の適切な実施について(注意喚起)

国空乗第483号
平成21年 1月 8日

指定航空身体検査医 各位
航空身体検査指定機関実務管理者 各位
(写し:特定本邦航空運送事業者 健康管理担当者 各位)

国土交通省航空局技術部乗員課長
鏡 弘義

航空身体検査の適切な実施について(注意喚起)

国土交通省では、航空身体検査の適切な実施等を確保するため、指定航空身体検査医等に対する立入検査を実施しているところであるが、本年度実施した立入検査において検査の方法及び結果の判定等に係る不具合が複数の指定機関で認められた。
ついては、各位においても、下記事項について留意するとともに、航空身体検査マニュアル〔平成19年3月2日付け国空乗第531号、その後の改正を含む。〕(以下「マニュアル」という。)を再度確認の上、今後の航空身体検査の実施に遺漏なきよう取り計らわれたい。
なお、立入検査等の結果、必要と認めるときは、検査業務の自粛や受検者に対する再検査の実施等、所要の措置を講ずるよう指示することとしているので、念のため申し添える。

1.視野検査の確実かつ的確な実施
ゴールドマン視野計を用いた視野検査において検査及び評価の方法並びに判定の基準がマニュアルの規定から逸脱している事例が認められたので、マニュアル第V章10-5(視野)を再確認の上、確実かつ的確に検査を行うこと。
(不適切事例)
・X/4のイソプタのみを測定し、T/4のイソプタを測定していない。
・少なくとも15°毎に測定すべきところ、30〜45°毎で測定している。
・静的量的視野計(ハンフリー視野計等)で感度低下が疑われるにもかかわらず、ゴールドマン視野計による確認検査を行っていない。
・X/4のイソプタにおいて正常視野から15°以上の狭窄を認めるにもかかわらず、適合判定を行っている。

2.心電図検査の評価・判定の的確な実施
心電図検査において不適合状態が疑われる申請者について、その評価を適切に行わないまま適合と判定している事例が認められた。
指定医が判読した結果、不適合状態を否定し、適合判定を行う際は、所定の追加検査等を実施し判定の根拠を申請書又は受診票等に明記すること。
また、解析機能付心電計を用いる際は、解析値及び自動判定も十分勘案の上で慎重な判定を行うこととし、自動判定等の所見があるにもかかわらず適合判定を行う場合には、指定医の評価又は適合判定の根拠等を心電図記録、受診票又は申請書等に記録しておくこと。
(不適切事例)
・心電図波形からマニュアル上不適合状態が疑われる申請者に対し、マニュアルに定められた追加検査等を行うことなく適合判定を行っている。
・解析機能付心電計の自動判定では不適合状態と記録されているが、指定医の評価等の記録がないため、適合の判定に疑義が生じるおそれがある。

3.脳波検査等の専門的領域に係る検査及び判定の確実な実施
脳波検査等の専門的な検査について、検査の方法、結果の品質及び判定の妥当性が疑われる事例が認められた。専門領域に係る検査等を他の専門機関に委託せず自機関で実施する場合は、検査機器の適正な調整、検査方法におけるマニュアル遵守の徹底及び慎重かつ確実な判定を行うこと。
(不適切事例)
・脳波検査において、機器の調整不良及び不適切な取扱い等により、検査結果の判読が困難である。
・脳波検査は所定の方法及び時間等が定められているが、賦活等の省略及び時間の短縮等、不適切な検査が行われている。

4.申請者に対する自己申告の指導及び自己申告に対する適切な評価の実施
過去の既往歴等を記載しない等の不適切な指導を行っていた事例が認められた。また、申請者が記入した自己申告について適切に評価を行わないまま判定を行っている事例が散見された。改めて、申請者に対して既往歴等の記載の徹底を指導するとともに、申告された既往歴等についてはその評価を医師記入欄等に明示すること。