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航空医学の現在と今後

航空業界
2015年にパイロットの年齢が68歳の前日までに延長されました。
そしてドローンに代表される無人航空機が登場しています。
今後、空飛ぶ車が登場する予定です。
空を飛ぶ新たな輸送手段が加わってくることで、今後民間航空機をはじめとした既存の空の乗り物との共生・調和が求められます。
自然環境の維持、化石燃料の枯渇を見据え、化石燃料に依存しない推進装置が求められてきます。
世界的なパイロット不足も解決しなければならない問題です。


航空医学界
パイロットがより長い期間健康に飛ぶことができるように、若年時からの健康管理体制のさらなる充実が求められます。
航空身体検査マニュアルはおよそ5年に一度改定されています。最新の医学的所見に基づいて内容を検討し続ける必要があります。
2018年、旅客の健康管理への対応として、機内救急に対応する医薬品や医療用品に見直しが行われ、内容が改訂されました。COVID-19後、世界を旅する人々の数は増加の一途をたどっており、今後も改訂の必要性の有無を検討するべきでしょう。
航空管制官の身体検査が設定されていますが、海外と異なり航空身体検査とは別扱いであり、今後の検討が必要です。
2022年、無人航空機操縦者への身体検査が設定され、施行されていますが、いまだ過渡期にあり、法的な問題を含めた今後の充実が求められます。


最後に
時代が進み、医学的な原因で事故が起きない期間が長く続いたとしても、「安全性の担保」という言葉が有名無実にならないよう、医学的な管理に関して足場を固めておく必要があります。国際民間航空機関(ICAO)は、調和(harmonization)という言葉で、世界の制度がばらばらではなく、融合してゆくことを唱えていますが、そのことは単に世界の流れに追随する、ということではないと考えています。実際、ICAOは、締約国が必要と認めれば、ICAOの基準以上の制度を設けることを排除はしない、と述べています。わが国が根拠をもって自国の制度について社会に説明し、そして世界に発信してゆくことこそ、むしろ世界がわが国に期待することです。当センターはその役割を担っていると自負しております。

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