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航空機乗員の航空医学的な適性とは?

医学的な飛行適性とは単に疾患がないことを意味するわけではありません。良好な健康状態は必ずしも医学的な飛行適性と同義ではなく、何らかの疾患を有していても不適格とならないこともあり、逆に、一般検診上問題なしと診断されても、慢性疾患のある者より飛行適性が劣る場合もありうるわけです。

規制当局の観点からみると、航空機乗員は以下を満足すれば飛行に適格であるといえるでしょう。

  1. その飛行職務を安全に遂行しうる肉体的および精神的な能力がある。
  2. 飛行中に安全な職務遂行を妨げて突発的な機能喪失(突発性機能喪失)をおこしうる疾患がない。
  3. 飛行職務の遂行能力を緩徐ではあるが航空身体検査証明書の有効期間内に許容水準以下に引き下げる可能性がある疾患を有していない。

全ての航空医学的な判断は医学的な見解に基づいたものであり、ある程度は主観的であるため、不正確な判定が生まれる可能性はあるが、最終的な航空医学的判断は安全性をより重視したものでなければならないと考えられています。

ただし、ここで、理解していただきたいことは、我々を含め、世界中の航空身体検査の基本的姿勢は、あくまでも「Keep them flying」であるということです。