2. 呼吸器系
2-1 呼吸器疾患
- 身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある呼吸器疾患又は胸膜・縦隔疾患がないこと。
- 不適合状態
- 2-1
- 気管支喘息
- 2-2
- 慢性閉塞性肺疾患
- 2-3
- 慢性拘束性肺疾患
- 2-4
- サルコイドーシス
- 2-5
- 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
- 2-6
- 活動性のある肺結核症
- 検査方法及び検査上の注意
- 3−1
- 胸部エックス線検査は、初回の航空身体検査時に実施すること。その後は問診・診察上必要と判断した場合に実施し、十分検討を行うこと。
- 3−2
- 問診・診察上必要と判断した場合には、呼吸機能検査を行うこと。呼吸機能検査は、簡易スパイロメーターでよい。
- 3−3
- 気管支喘息の既往歴がある場合は、問診の際に最近の発作の有無等に十分注意すること。
- 評価上の注意
- 4−1
- 呼吸機能検査の結果、次の(1)又は(2)の場合は不適合とする。
(1)%肺活量が80%以下のもの
(2)1秒率(FEV1.0%)が70%以下のもの
- 4−2
- 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるものについては、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
- 4−3
- 感染症については、1.一般1−4感染症を参照のこと。
- 備考
- 5−1
- 気管支喘息でコントロール良好な者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、治療内容や発作の頻度を含む臨床経過、ピークフロー等の検査結果を付して申請すること。
- 5−2
- サルコイドーシスの診断を受けた者であって自覚症状がなく、かつ、治療を必要としないものが、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、臨床経過、血清カルシウム濃度、呼吸機能検査、67Gaシンチグラム検査を含む画像所見、心サルコイドーシスの評価、眼科的所見等の検査結果を付して申請すること。
- 5−3
- 上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、病態等が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。
2-2気胸
- 身体検査基準
自然気胸又はその既往歴がないこと。
- 不適合状態
自然気胸又はその既往歴のあるもの
- 検査方法及び検査上の注意
- 評価上の注意
自然気胸の既往歴がある場合、開胸手術後2ヶ月、内視鏡下手術後1ヶ月を経過した後、呼吸機能検査の結果が基準を満たし、手術時所見及び合併症の有無を確認し、航空業務に支障を来すおそれがないと認められた場合は適合とする。なお、呼吸機能検査の基準については、2.呼吸器系2−1呼吸器疾患を参照のこと。
- 備考
- 5−1
- 自然気胸の既往歴がある者であって、手術を受けていない者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、現症を含む臨床経過、胸部エックス線写真及び胸部CT(肺尖から2pについては5o間隔)等の画像所見を付して申請すること。
- 5−2
- 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、病態等が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。
2-3胸部手術
- 身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある胸部の手術による後遺症がないこと。
- 不適合状態
- 2-1
- 開胸手術後2ヶ月を経過しないもの
- 2-2
- 内視鏡下手術後1ヶ月を経過しないもの
- 2-3
- 手術後、心肺機能に障害のあるもの又は心肺機能が航空業務により悪化するおそれのあるもの
- 検査方法及び検査上の注意
胸部の手術歴がある場合は、原疾患について十分に問診を行い、必要に応じて手術時所見や病理診断書を参考にすること。
- 評価上の注意
手術後の心機能及び呼吸機能を心臓超音波検査、呼吸機能検査等により確認すること。
- 備考