5. 血液及び造血器系
- 身体検査基準
(1)航空業務に支障を来すおそれのある貧血がないこと。
(2)航空業務に支障を来すおそれのある血液又は造血器の系統的疾患がないこと。
(3)航空業務に支障を来すおそれのある出血傾向を有する疾患がないこと。
- 不適合状態
- 2−1
- 航空業務に支障を来すおそれのある貧血
- 2−2
- 急性白血病
- 2−3
- 骨髄増殖性疾患
- 2−4
- リンパ増殖性疾患
- 2−5
- 骨髄腫及びその類縁疾患
- 2−6
- 止血異常及び凝固異常
- 検査方法及び検査上の注意
上記2.の疾患が疑われた場合には、血液検査を行い、検討すること。
- 評価上の注意
- 4−1
- 貧血がある場合は、原疾患について十分に検討を行うこと。
- 4−2
- 貧血について、地上で無症状であっても上空で低圧低酸素にさらされた場合に航空業務に支障を来すおそれがあることを考慮し、男性ではヘモグロビン(Hb)値11g/dl未満又はヘマトクリット(Ht)値33%未満、女性ではHb値9g/dl未満、Ht値27%未満を目安に慎重に判断すること。
- 4−3
- Ht値の上昇は、血液の粘稠度を上げ脳血流量を低下させるため、その原因について検討を行うこと。
- 4−4
- 原疾患がなく、血小板のみが低値を示す場合には、凝固系に異常がなければ適合とする。
- 4−5
- 骨髄移植の提供者で、術後十分な観察期間を経て、貧血や血小板減少、凝固異常等を認めず、航空業務に支障を来すおそれのある後遺症のない場合は、適合とする。
- 備考
- 5−1
- 上記2.の不適合状態であって、治療後寛解した者又は治療中であっても寛解している者が国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、治療内容及び現症を含む臨床経過、各種血液検査の結果、骨髄所見及び画像診断結果等を付して申請すること。
- 5−2
- 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経て経過良好であって、病態等が進行しないと認められるものについては、国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合とすることを許可される。